はいからさんが通る③ 原作と映画

大和和紀さんのはいからさんが通る全巻読みました。面白かった!(ブックオフにあってラッキー!)

映画との違いもいろいろ面白い。

・少尉のキャラが若干違う
紅緒さんと出会いたて、けっこうシニカルな物言い。ちょーっとおちょくってるというか。映画の方がひたすら優しい。穏やかさ増量。完璧王子様。私は映画少尉のが好きです。笑
前編映画は97分。少尉のシベリア出兵を考えると紅緒さんと少尉が一緒に過ごせるのは70分くらい。その間で紅緒さんが少尉を好きにならなくちゃいけない。過程に説得力を持たせるために、紅緒さんが少尉に惹かれてく理由を分かりやすくさせるために、少尉を丸くさせたのかなあ。


・紅緒さんの少尉への気持ちの描き方
原作は自分を抱きしめて苦しそうな顔、内に燃ゆる愛に悶えるみたいな。
映画は部屋でひとりマリンカ見つめてそっとしとやかに思っていますみたいな。(後編にあたるとこにそういう描写が多かったから当たり前かも?)


・それぞれ好きなとこ
原作は紅緒さんの力強さをひしひしと感じる。ラストまで読んだからかな。the大和和紀さん!の絵も素敵。
映画は音と色がつく分わかりやすいし、この映画はじわりと内側に心地よく沁みてくるものがある。穏やかな気持ちになれる幸せさを感じられる。

映画は原作にある女性の生き方、人の力強さを大切にしつつアニメーションだからできる音響、魅せ方を精一杯してるという印象。はいからさんを知らない人にも原作なら知ってるという人にもほんとにオススメしたい素敵な映画です。

前編とかぶるところを原作で読んで映画のほうが好きだなと思いました。気持ちがしん、となって深いところまで情に触れるような、感覚を映画や小説に求めてる節があるんですね、わたし。それは原作より映画のほうが感じます。だから後編はどんなふうに描いてくれるんだろう、感じさせてくれるんだろう、と今から期待大です。